テンジクネズミ科(Caviidae)  テンジクネズミ属(Cavia)                
 
分布   C.aperea :エクアドル中部、スリナム南部、ブラジル東部と南部、  
     パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン北部    
     ●アルゼンチンでの研究 (Rood, 1972)    
     ・薄明薄暮性。食事の行動は、この地域では主として薄明薄暮に行われたが、  
      寒い季節には時折日中を通して行われた。    
     ・穴を掘るのではなく叢林の堆積や植物の茂みに避難することが分かった。  
     ・テンジクネズミは陸生で、巣から食事するエリアまでの十分に熟知した道  
      を辿るように見えるが、洪水中に数km泳いだことも報告されている。  
     ・通常5〜10頭の小集団を形成する。好ましい生息地には、多くのグループ  
      が集中するので大集団である印象を与えるかもしれない。  
     ・牡の居住範囲は平均1,387uで牝の居住範囲は平均1,173uだった。範囲は  
      安定していて、食物および避難所に使われた植物の茂みの周りに集中して  
      いた。どちらの性別も排他的な領域を持たず、範囲は頻繁に一致していた。  
      (注.牡と牝は各々別々に集団を形成している?)    
     ・各性別では序列を持っており、序列が下のものは退却しないと攻撃された。  
      第一位の牡は戦いに負けると、受動かつ内向的になり、時々死んだ。  
  C.fulgida  :ペルー、ボリビア南部、チリ北部、アルゼンチン北西部  
  C.guianae  :ベネズエラ南部、ガイアナ〜隣接するブラジル北部  
  C.magna  :ブラジル南極端部、ウルグアイ    
  C.porcellus  :約500年前ベネズエラ北西部〜チリ中部で家畜として見つかった  
  C.tschudii  :ペルー、ボリビア南部、チリ北部、アルゼンチン北西部  
  C.anolaimae :コロンビアのボゴタ近辺    
  C.nana :ブラジル南東部    
   ・開けた草地、森林端、湿地、岩場等、種々様々な場所で生息している。  
   ・時々、4,200mまでのの高台で見つかる。    
   ・自分の穴を掘るか他の哺乳動物に放棄された穴を利用すると報告されている。  
   ・Weir(1974)は、C.porcellus には野生の形式がなく、この種は C.aperea,  
      C.fulgida, あるいは C.tschudii の内に起こった、とした。  
体長   20〜40cm、尾長0cm。        
体重   0.5〜1.5kg、新生獣の C.aperea 60g。    
特徴   ・ずんぐりした構造、かなり短い脚、覆われていない短い耳を持っている。  
  ・前足は4本指、後足には3本指。牝は1ペアの鼠蹊の乳房がある。   
  ・野生種の毛はかなり粗くて長く、首にはクレスト(たてがみ)がある。また、  
   全面的に灰色か褐色を帯びたアグーチの毛を持っている。    
    ・様々な声で鳴く。          
寿命   飼育で長命なものは、8年以上。        
食物   多くの種類の植物          
性的成熟   牝 2ヶ月(最小21日)、 牡 3ヶ月。      
発情サイクル   C.aperea 平均20.5日        
出産時期   C.aperea 春がピークで一年中可能だが、冬は産まれなかった。(Rood, 1972)  
妊娠期間   56〜74日。種別平均 C.aperea 62日、C.tschudii 63日。    
出産頭数   種別平均 C.aperea 2.3(1〜5)、C.fulgida 1.35、C.tschudii 1.9(1〜4)  
出産後の発情   ・牝は多発情性で出産した直後に発情し、半日弱続く。    
    ・出産すると牡は牝の周りに集まる。序列最上位の牡は、積極的に他の牡から牝  
   を保護し、最初に交尾する。    
  ・その牡が引き続き牝を保護することができなければ、他の数頭の牡が牝を追い  
   求め交尾する。    
離乳期間   5日で離乳できるが、通常3週間乳を飲むことができる。    
    誕生後すぐに走り回ることができ、1日目に固体の食物を食べることができる。  
 
 
参考資料  
RODENTIA; CAVIIDAE; CAVIA Cavies, or Guinea Pigs